生まれ育った場所の春
今回は、いなかの春の話
冬が長いだけに、春がやってくるのは遅い。入学式のときも道の脇には雪が残っていたし、畑・田んぼの仕事ができるようになるのもずっと遅い。
春といえば桜だが、だから桜が咲くのも遅い。ゴールデンウイークが開花予想の目安だから、とんでもなく遅い。北海道の開花予想が5月に入ってからだから、やはり北海道に似た気候といってもいいのだろう。
春の食べ物といえば、ふきのとうやつくしをあげる人もいるだろうが、そんなものありすぎて小さいときに食べさせられたこともないし、雑草ゆえか食べたいと思ったことも無かった。今にして思えば、もったいないことなのかも。
山菜取り。幼いながらにできたアルバイト。ゼンマイ、蕨、ウド、フキ、たけのこを採ってきて、キロ単価で引き取ってくれる。学校行事でもあった。山に暮らす人の貴重な収入源である。山に入るには、いろんな動物がいたり、道がない為に一人ではいることは無かったが、それなりに稼がしてもらったものだ。今思えば、採ってきただけで、出荷する為の後処理を一切していなかったので、大人たちはご苦労さんでした。
| 薄墨の桜 著者:宇野 千代 |
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